別荘民泊プロデューサーの羽田徹です。
Twitterで炎上してしまいまして意気消沈中・・・。
短い文章でセンシティブな内容のツイートは気を付けないと行けないと反省しております。
あと、腹が立っても感情的に返信してはいけませんね。
大人になります・・・。
僕は民泊のリアルをお伝えしています。
宿側のミスや失敗も含めて全部お伝えして、そこからどう対処するのかも含めてお伝えしています。
何も良いことだけをお伝えしているわけではありません。
過去のツイートやブログもご覧ください。
リアルに民泊運営の実態をご覧いただけます。
クレームを頂くというのは、宿側がミスをしているのです。
もちろん頻繁にミスをしているわけでなく、過去でも大きな出来事を扱っているまでです。
よって、そのミスを叩かれても困ります。
そういったこちら側の落ち度も含めてお伝えしています。
何もミスをしなければクレームになりません。
こちらの初期対応も完ぺきではありません。
大事なのは、そこからどのように挽回するかです。
今回の事件は、もちろん宿側が完全に責任がありますが、そこに乗じて過大な請求をするというのは良くありません。
そういった時に、どのように対処するのか?
そういうリアルをお伝えしています。
実際は宿のトラブルがクレームになりましたが、お客様も納得し満足をして☆5つを頂きました。
ちなみにゲストに☆5を強要するとAirbnbから掲載停止になるなどペナルティーが科せられますので、絶対にやってはいけませんし、やりません!
Twitterではどのように対応したのかの詳細は書ききれませんでしたので、この場で全容をお伝えします。
前提として、こちらの民泊は簡易宿所での登録で無人管理です。
他の宿は全て購入して所有していますが、石垣だけは賃貸物件です。
現地の駆け付け要員はいますが、私は関東にいて遠隔での対応となっています。
石垣島の民泊でのこと。(あくまでも顧客対応を学んでいただくための事例です。個人の特定などを避けるため細かなやり取りは省略し、実際の細かい文言も違う場合がありますのでご了承ください)
夕方チェックインをしたお客様から電話が掛かってきました。
僕は高速道路をドライブ中。(もちろんハンズフリーでの会話です)
「すいません。先ほどチェックインした〇〇です。シャワー使ってたらガスが急に止まったみたいでお風呂に入れないんだけどどーすればいいっすか?早く何とかして欲しいんだけど!」
「どういう状況でガスが止まりましたか?」
「最初はお湯が出ていたんだけど、途中から水になってしまって使えないんだけど」
「もしかしたら安全装置が作動してガスが止まっている可能性ありますね。玄関の横にガスメーターがあるので見ていただけますか?」※プロパンガスは使いすぎやお湯の出しっぱなしで安全装置が働きガスが止まる仕組み
「玄関横?あー、これね」
「では、そのガスメーターにある復旧ボタンを押してみてください」
「押したけど何にもならないけど」
「そうですか。何かエラーメッセージとか出ていますか?」
「〇×▽って表示されてるんだけど」
「そうですか。大変申し訳ないのですが、私が今、高速道路運転中で直ぐに対応ができないんです。ハウスマニュアルにガス会社の連絡先を記載しているのでお電話ってお願いできますか?」
「はー?なんで客が電話しなきゃいけねーんだよ!」
「はい。大変申し訳ありません。高速道路で止まるわけにはいかないので、ちょっと20分ほどお待ちいただければ対応可能なんですが、今の状況含めてどちらにせよお客様からガス会社に説明して、お客様に復旧対応をしていただかないと直ぐに使えないので、今すぐお使いになる場合は、お客様からお電話頂いた方が早いかと思います。20分ほど待っていただければ対応いたしますが、どうなさいますか?」
「じゃぁーしょうがないから電話するよ」
「こちらからも後ほどガス会社に状況確認しますので、まず、今の状況をガス会社に伝えていただけますか?」
その後車を停めてガス会社に連絡すると、部品が壊れている可能性あるので、現場で修理が必要とのこと。
今日中の対応をお願いしたが、早くて翌朝一番になってしまうとのこと。
改めてお客様に電話をします。
「大変申し訳ございません。ガス会社からもお聞きになったと思いますが、部品交換が必要で、翌朝でないと修理ができないようなんです。もう一部屋別の部屋があるのですが、今日は埋まってしまっていまして残念ながら振り替えもできないんです。本日ガスが使えないということになりますので・・・もし、よろしければ、お風呂の代金をお支払いしますので、近くの温泉などに行って頂くことは可能ですか?」
「は?今からもう疲れたし、そんなん行けねーよ。こっちは旅の1日目で疲れてお風呂に入りたいのに入れないなんて最悪じゃん!どうしてくれんの?」
「そうですよね。仰ることは良く分かります。お疲れの所大変申し訳ございません。明日の朝には修理が終わるってことですので、それまではご迷惑をお掛けします」
「だから、どうしてくれんの?っていってんの。今日だってこの騒動でガス会社にも連絡させられて何もできなかったし、1日無駄にしたんだから、全額返金ぐらい当たり前だろ?もちろん返金だよな!」
「お気持ちは分かります。私も、泊まった宿でガスが使えないとなると大変不便だと思います。全額返金っておっしゃっているのは、本日一日分は無駄にしてしまったので、1日分返金と言う意味でしょうか?」
「は?3泊4日泊まるんだから、全額に決まってるだろうが!」
「ん?お客様、3泊4日分の全額をタダにしろという意味で仰っていますか?」
「迷惑かけてんだから当然だろ!旅が全部台無しになったんだから。当たり前だろう!」
「ガスは明日の朝には修理が終わるとのことですが、もし、別の宿を予約して、他の部屋に泊まるということでしたら、こちらの代金はもちろん全額返金をさせていただきます。当宿をキャンセルして他の宿をご予約されますか?他の宿を予約されて、予約できましたらすぐ退出されるのであれば全額返金させていただきますが?どうなさいますか?」
「は?今から他の宿予約とかやってられるわけないだろうが!ここに泊まるけど迷惑かけてんだから分かるだろうが!」
「お客様、旅の始まりで大変ご迷惑をお掛けして気分を害されるのは当然分かります。大変申し訳ありません。ただ、明日ガスが復旧してその後も2泊されるのであれば、全額返金はちょっと過剰ではないかと思いますが・・・。本日1日分を無駄にしたのは確かに仰る通りですので1日分のご返金ではいかがですか?」
「そんなんで納得する訳ねーだろ!なんで全額返金できないんだよ!宿泊まったのにガスも使えないってレビューにも書いてもいいんだぞ!ありえないだろう!それでいいんだな?」
「お客様、もちろん全くそういうおつもりで仰っているのでは無いかもしれませんが、それは3泊4日全部をタダにするって強く迫ると、金品の要求になってしまい、下手すると恐喝になってしまうんですよ・・・。もちろんお客様はそういうおつもりで仰ったのではないと思いますし、全額返金して欲しいというお気持ちは分かるのですが、過大な要求は利益供与になるので、私どもも警察に相談しなくてはいけないんです。もちろんそういうおつもりは無いと思いますので、私が警察に連絡するとかは無いですが、他の宿とか店で同じことを言ってしまうと警察に捕まる恐れもありますから。もし、それ以上強く要求をされてしまうと、私も警察に通報せざるを得なくなるんです。そこは法的にも申し訳ないですが全額返金はちょっとできないんですよ。もちろん1泊分はご迷惑をお掛けしたお詫びとして返金させていただきますが3泊4日をタダにする理由はありませんよね?当たり前ですが恐喝をするつもりでは仰ってないですよね?」
「え、あ、いや、恐喝とかそういうつもりで言ったわけではないけど・・・。まぁ全額返金は無理なのは分かったけど、ちょっと友達と相談していいですか?」
恐らくお友達と相談しつつ、どこまで請求できるのかをネットなどでも調べたのだと思います。
私も調べましたが、さすがに全額返金はネット上で調べても無理があります。
基本、請求できるのは実際に損害を被った金額と+で出すのであれば迷惑をお掛けした気持ちというのが概ね法的な見解です。
通常、お風呂が使えない場合は温泉代金程度が損害を被った金額になります。
ただ、今回はガス会社とのドタバタもあり、ゲスト側にも時間的にも労力的にもご迷惑をお掛けして、その日を無駄にしたのは事実なので1日分が最大限のお詫びの範囲になります。
その後、再び電話をしました。
「友達とも相談して、1日分返金であればそれでいいですよ・・・」
「本当にご迷惑をお掛けして申し訳ありません。では、そのご迷惑をお掛けした分、全員の1日分の宿泊費を、この後直ぐにAirbnbを通じて返金させていただきます。大変申し訳ありませんが、そのお金で何か美味しいものでも食べてください」
「じゃぁ、それでお願いします」
「本当に申し訳ありませんでした。ちなみに、老婆心ながらお伝えさせていただくと、こういうトラブルの場合は、被害にあった相当分の返金要求は妥当なんですが、全額返金ってなると商品に文句付けてタダで貰うってのと同じになるので、容易に全額返金は仰らない方が良いと思います。お客様はそういう方ではないというのは分かりますが、オーナーによっては本当に即通報したりして、それで警察に事情聴取されるとかなると面倒なことになりますから。私はもちろん通報はしませんが、今後のご参考になればと思いまして、すいません。余計なことだと思いますが」
「あ、はい、気を付けます・・・こういうの初めてだったので、こちらも良く分からず言ってしまい、申し訳ないです」
「いえいえ、こちらがご迷惑をお掛けしてしまったので、本当に申し訳ございません。明日からの旅は是非、お楽しみください」
翌朝、ガス会社によって修理が完了。
ゲストからも「今、ガスがなおりました!迅速な対応ありがとうございました。」とメッセージが来ました。
その後もゲストとやり取りをして、ガスでのトラブル以外は快適に過ごせたとメッセージを頂いたり、悪い評価にならないように、お客様とは丁寧にコミュニケーションを取りました。
基本、敵対してしまうと悪い星になります。
もちろん、これが避けられない時もありますが、むかっと来ても、基本冷静に、落ち着いて対応をします。
起こってしまった事態はどうしようも無いがそこから悪い方向に行かないようにしっかりフォローをして丁寧にコミュニケーションを取ると、トラブルやクレームがあっても、良い星を頂けることもあります。
結果☆5だったのですが、一見警察に通報するときついように聞こえてしまうかもしれませんが、実際は物腰はめちゃくちゃ柔らかく丁寧なコミュニケーションを取った結果です。
※Twitterではそこが伝え方雑過ぎで大失敗しました!
また、「警察に通報するぞ!」だと角が立ってレビューでも多分脅されたとか書かれてしまう恐れがあります。
通報するぞ!ではなく「お客様はそういうおつもりではないと思いますが、これ以上強く仰ると、通報せざるを得ない」という言い方です。お客様にも迷惑が掛かるので、こちらとしても通報はしたくないけれど・・・という姿勢です。
どうしても文面では強く聞こえるかもしれませんが、強い口調で言うと反発を招きますので、冷静に、落ち着いてがポイント。
難しいのですが、物腰はやわらかですが、毅然とした態度を取ることです。
僕が良く言うのは、「全額返金などの過大な要求をされてしまうと、警察に相談をせざるを得なくなってしまうんです。そのように警察からも指導されております。私としては警察には通報するとお客様にもご迷惑をお掛けしてしまうので・・・」という言い方を良くします。
実際、眼鏡屋時代もクレーム対応は多々しましたが、警察は金品の要求に関しては通報してくださいと言っていました。
もちろん、警察が介入しても大抵はその場で和解です。
よほど乱暴な振る舞いや、ものを破壊するなどの行為が無いと警察に捕まることはありません。
ただ、過剰にやってしまったり、相手に危害を加えるようなことがあれば捕まります。
ですから、プロのクレーマーは全額返金とか金品の要求はしません。
法に触れないように、店側のお詫びとしてお金を出させるように仕向けます。
「誠意を見せろっていってるんだ」「どういうお詫びをしてくれるんだ」と言う言い方です。絶対に自分から具体的には言いません。
よって、店側も、お詫びの姿勢は示しつつ、店としてできるお詫びの内容を伝え、「私共の誠意がこちらになります。こちらでご納得いただけないとなると、どういったことをお望みですか?」と尋ねると良いです。
この店はクレーム対応のやり方が分かっているなとなると標的にされなくなります。
オーナーとして心がけるのは、全額返金などの過大な要求は、お客様の心情には寄り添いながら、「お気持ちは分かりますが、法的にも警察の指導からもできないんです」と丁寧に下手に出ながらも、ぶれずにしっかり言うことです。
実際に民泊オーナーの皆さんから聞く話では、一部、悪質なクレーマーがいて、部屋の落ち度を探しまくって、それを理由に無料にしろと迫ってくるゲストもいると言うことです。
探して何かの落ち度が出てくれば、それをネタに全額返金を迫られるというのは実際に良くあるそうです。
また学生界隈でも悪質なグループで、どうすればクレームでタダにできるかなどの情報を共有しているグループもあるようです。
よって、これは小売業界の常識でもありますが、一度クレーマーの餌食になったら、あの店や宿は金を取れるぞ!とクレーマーが次々に押し寄せます。
クレーマーも繋がっているんですね。
もちろん、ほとんどのお客様が大変素晴らしいお客様です。
レビューでも本当にうれしい言葉を頂きます。
しかし、ほんの一部のクレーマーの対応を誤ると、クレーマーが押し寄せるという最悪の事態にもなりかねません。
そういった対応方法を知っておくのは大切です。
このブログでは、民泊のオーナー向け、またはこれから民泊を始めたい方向けの情報をお伝えしています。
実際の別荘民泊の情報もお伝えします。
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